アニメ「ハイキュー!! セカンドシーズン」第8話「幻覚ヒーロー」

今回は、アニメハイキューの感想です。
原作の展開を踏まえて書いているので、アニメ派の方はご注意ください。

今回は、ツッキーのお兄ちゃん、明光くん初登場回です。
2期は放送日が地域によってバラバラですが、11月23日はいい兄さんの日だったということで、すごいタイミングに時期が被ったなあ~と思っていました。

さて、本編です。
烏野メンバーが各々成長するために自主練に励むなか、一人それに加わらないツッキー。
やきもきする山口は、ツッキーと出会ったときのことを思い出します。

二人が出会ったのは小学生のころ、当時山口はいじめられっ子でした。
小さくて気弱な性格だったことが原因なのかもしれません、そばかすのこともからかわれるタネだったようです。
そうやって絡まれているところにたまたまツッキーが通りかかり、一瞥してきっぱり一言「カッコわる」。

相変わらずの性格ですね…
加えて3年生にも関わらず6年生並みの身長で、いじめっ子もまったく意に介さない様子でした。
ツッキーには山口を助けようというつもりは一切なかったと思いますが、山口は自分にとって脅威だったいじめっ子に一人でも屈しないその態度に憧れたのでした。

山口にとってツッキーはヒーローといえるんじゃないかと思います。
ヒーローだからこそ、憧れているからこそ、今まで強く言えなかったのかもしれません。
だけど、今回動くことを決めたのも、憧れがあるからだと思います。
憧れのヒーローのカッコ悪い姿は、見たくないから。

一方、ツッキーは烏野メンバーのいる第一体育館でシンクロ攻撃の練習に誘われていました。
渋るツッキーの代わりに縁下が参加を申し出て、ツッキーは体育館を出るというシーンでしたが、ここはオリジナルですね。
前回から空いたことで流れが切れてしまったから入ったシーンかもしれませんが、控えの縁下もシンクロ攻撃の練習を積んでいることがわかってうれしい追加分でした!
スガさんもツッキーを気にしていることがわかる描写もありました。

そして、ここからしばらくツッキーの回想に入ります。
その前に映った月が雲の影に隠れるシーンは、悩んでいる今のツッキーを象徴しているようです。

話はツッキーの小学生時代にさかのぼり、待ちに待った明光くん登場!
現在22歳なのでツッキーとは6歳差かな?年の差兄弟です。
明光くんは中学時代、バレー部のエースでした。
ツッキーがバレーを始めたのも明光くんがきっかけ、ツッキーにとっての憧れのヒーローは明光くんだったのです。

明光くんは当時強豪として有名だった烏野に進学。
居残りで自主練するなど、今の烏野メンバーにも負けないくらい部活への熱意にあふれていました。
一年生でレギュラーに入って活躍するんだ!という目標もありました。

でも、現実はそううまくはいきません。
明光くんはレギュラーにはなれませんでした。
そして、自分に憧れるツッキーに本当のことが言い出せずに、レギュラーとしてチームで活躍していると嘘をつき続けてしまいます。
なにも知らないツッキーは、兄ちゃんすごい!と目をきらきらさせていて、それを感じるたびに明光くんは一瞬動きが止まるのです。
弟をだましている罪悪感とか、ばれたらどうしようという不安や嘘をつくことの虚しさとか…
明光くんの心情は描かれていませんが、きっととても辛かったと思います。

弟が自分に憧れていることがわかっているから、その期待を裏切ってはいけないという気持ちになったのでしょう。
その真面目さが、余計に明光くんの首を締めていたんじゃないかな…
私も弟と七歳年が離れているのですが、年の離れた兄弟には親とは違うけど、ある種保護者のような感情があります。
ツッキーをがっかりさせたくないという明光くんの気持ちは、とてもよくわかります。
明光くんとツッキーの関係性は、途中のバレーを教える場面に凝縮されていますね。

一方、ツッキーがバレーの少年団に入ったのもこのころでした。
少年団っていうのはクラブチームみたいなものなんでしょうか?
山口も同じチームに入ることにしたようです。

明光くんのことを褒められて、ツッキーはすごくうれしそうにしています。
このころは、幼さゆえに反応がまだまだかわいいですね。
まあ、今でも本人は見せないようにしていても割と行動の端々に現れていたりしますが(笑)
本質的には感情豊かなタイプなんだと思います。

明光くんが高校三年のとき、ツッキーは山口を誘って初めて明光くんの試合を観に行くことにします。
そして、観客席で応援している明光くんの姿を見て、すべてを知ってしまいます。
その時の明光くんの絶望したような表情には、胸が痛くなります。
ツッキーは賢い子だから、明光くんが嘘をついていたこと、それが何のためだったのかも全部悟ったんだと思います。
そして、ツッキーの口から出た言葉は「カッコ悪い」でした。

カッコ悪いのは何なのか。
部活で活躍しているエースだということを明光くんのすべてのように信奉していた自分自身、報われないのにたかが部活に全力を出すこと…
いろんなことが考えられると思います。
自分が憧れていたヒーローは幻覚だった、それを作り出した原因はほかでもない自分自身だった。
改めて考えるとタイトルがとても心にくるものだなぁと思います。

ツッキーは、明光くんのためにたかが部活と思いこむしかなかったんじゃないのかなとも思います。
部活なんてたいしたことじゃないと思わなければ、明光くんは本当に敗者になってしまうから。
あんなものは必死になって、すべてを賭けてやるようなものじゃないという考えに至ったのは、もちろん自分が失敗するのが怖いというのもあると思いますが、ヒーローに負けてほしくないという気持ちもあったんじゃないかと…

さて、時間は再び現在に戻ります。
月にかかっていた雲が少しずつ動き出します。

あのころを思い出していたツッキーのもとに、山口が走ってきます。
山口は、意を決して言います。「最近のツッキーは、”カッコ悪い”」と。
どうして才能も身長もセンスも持ってるのに、努力しないで諦めてしまうのか、と。
その時の山口の必死の演技は、とても真に迫っていたと感じました。

それに対するツッキーの答えは、「どんなに頑張っても必ずどこかで負ける。上には上がいるから一番にはなれない。それなのに、みんなどんな原動力で動いているんだ」というのものでした。
正直、この答えは意外でした。
それは、裏を返せば負けたくない、勝ちたいと言ってるのと同じことだからです。
きちんと、勝ちたい気持ちはツッキーも持っていたのです。

「そんなもん、プライド以外になにがいるんだ!」
山口の言った台詞は、すごくしっくりくるものでした。
一番になれないなんて、ほとんどすべての人がわかっていることです。
それでも、どんな分野でもやる人がいなくなることはありません。
その原動力は、やっぱり自分のため以外にはないと思います。

それを訴えた山口を、ツッキーはカッコいいと言います。
うだうだ悩んでた自分より、山口の方が何倍もカッコいいと。
いつでもカッコよくいたいという気持ちは、男の子らしくてわかりやすい価値観です。
ツッキーの中では、それはきっと大きな価値基準なんでしょう。
すんなりそれを認められる素直さも大きいと思いますが。

でも、そこでその意見にあっさり同意とはいかないのがツッキーです。
納得できないから聞いてくると言って、立ち去ってしまいます。
自分の頭でしっかり理解しないと気が済まないというのは、やはりツッキーですね。
ここから踏み出すためにも、そうするのが正解だと思います。

一方、烏野サイドではスガさんがツッキーを心配していました。
それに対して、大地さんはツッキーの負けん気を買ってそれほど不安には思っていませんでした。
さすが主将!と思いましたが、実際ツッキーが辞めるとか言い出したら焦って止めるらしいです(笑)

そして、大地さんなりの上を目指すことへの考えも。
大地さんもスガさんも、自分たちがどこまでも一番になれるとは思っていません。
それでも、たとえ限界を感じたとしても上を目指さずにはいられない、その理由はわからないけれど。
きっと、それが好きってことなんじゃないかなと思います。
好きだから、楽しみたいしうまくなったらうれしい。
個人的な解釈ですが、このくらい単純な方がわかりやすくて私は好きです。

日向も、前回はツッキーが本当にバレーやりたいかわからないと言っていたものの、大丈夫だと思っていました。
ツッキーはカッコ悪いこと絶対しないから、バレーうまくないカッコ悪い姿でずっといるわけがないという理由です。
日向のツッキー観がわかる台詞だと思います。
これも、仲間への信頼の一つの形ですね。

そして、ツッキーが向かったのは木兎さんたちのいる第三体育館。
ここで聞きに行く相手が他校の先輩というのは、より普遍的な意見が聞きたかったからでしょうか。
よく考えると、ここにいるメンバーは全員ツッキーより年上なわけで、ツッキーが弟ということも関係してるかもしれません。
会ってそれほど経ってないのに、珍しくちょっと心を開いてる感じがします。

ツッキーの質問に「いーよ!」とあっさり答える木兎さんと黒尾もいい先輩ですね。
特に、黒尾は音駒メンバーといると主将としての振る舞いが目立つので、普通の高校生っぽい面が見られるこの組み合わせは結構好きです。
他校同士だからこそ生まれる気安さというのもあるんですね。

で、ツッキーの質問なんですがまたド直球ですね~
音駒も梟谷もそこそこの強豪ではあるけれど、全国優勝は難しいとか、言いにくいことをあっさり言っちゃいます。
というか、スポーツ漫画的にそういう現実的な強さの話はあんまり聞かないなぁという気がします。
弱小校が優勝したり…が王道ですから。出てくる主要ライバル校はだいたい超強豪だし…

それで、肝心のたかが部活をどう思ってるのかという話なんですが…
「ただの部活」って名前っぽい→「タダノブカツくんか!」→たかが部活だった!名前になんねー!というダブル主将のやりとりがもうね…
高校生のノリ丸出しですね(笑)
ツッキーの目が死んでる…赤葦は慣れっこなのかツッコまないしね!

真面目な話に戻りましょう(汗)
ツッキーに対して木兎さんは、「バレー楽しい?」と聞きます。
答えに詰まるツッキーに、木兎さんがバレー楽しいと思ったのはつい最近だと語ります。
スパイクのクロス打ちへの対策をされて、それを破るためのストレート打ちが決まったとき。
その時の強烈な快感が木兎さんのバレーへの原動力だったのです。

目の前の相手をぶっ倒すことと、自分の力が120%発揮された時の快感。
それらが木兎さんを突き動かすものです。
全国にも行ってる強豪バレー部の主将の原動力は、驚くほど単純である意味利己的でもあります。
でも、そこから生まれるエネルギーがとんでもなく強いから、ここまでの強さが引き出されてるんだと思います。

そして、それはあくまで自分の考えであって、ツッキーのたかが部活という意見も自分には当てはまらないだけで、間違いではないと理解を示すという視野の広さはさすが主将だと思います。
ここまで山口、大地さん、木兎さんとそれぞれのバレー観が明らかになりましたが、それぞれに自分の考えを持っていて、そのどれも本人にとっては正しい考えであると示されているところがとてもよいと思います。
考えの多様性があると、物語が広がっていくと思うので…

ここまでツッキーに自らの考えを押し付けることはしなかった木兎さんですが、一つ言い切ります。
もし、ツッキーに自分の力が120%発揮された快感を味わう瞬間が来るならば、それがツッキーのバレーにハマる瞬間だ、と。
この指摘は、たしかにツッキーに新たな道を切り開いて見せたと思います。
ツッキーとは正反対に見える木兎さんが道を指し示す存在になるとは、初登場時は夢にも思ってませんでした。
ツッキーのバレーにハマる瞬間、それがアニメになるのも期待しています!
その後、質問に答えた代わりにツッキーは練習に付き合わされるはめに…

そのころの第一体育館。
山口の問いに、日向はツッキーをライバルだと思ってると言います。
日向とツッキーのライバル関係を太陽VS月と評したのは谷っちゃんですが、山口もそうなってほしいと思っているようです。
山口と日向は最近かなり仲良くなってきたと思うのですが、それでも山口にとって日向はツッキーとは別の意味ですごいと一目置いてる存在なんでしょう。
だから、日向のツッキーをライバルと思っているという発言がうれしかったのかな。

翌日、梟谷との試合では相変わらず木兎さんのスパイクが猛威をふるっていました。
木兎さんのスパイクは止めなくても、手にボールを当てて勢いを弱める「ソフトブロック」でいいと烏養くんは言いますが…
「止めなくていいんですか?」と発言したツッキーは、昨日までとは明らかに雰囲気が違いました。

木兎さんにボールが上がり、ツッキーはブロックの体勢に入ります。
昨夜、黒尾から指導してもらったことを思い返します。
そういえば、烏野の先輩にMBはいないため、実質先輩からきちんとしたブロックの指導を受けるのは初めてかもしれませんね。
精神面での師匠は木兎さんで、技術面は黒尾。ダブル主将から直々に教えてもらえるなんて、豪華だなぁ。

そして、ツッキーのブロック、相手のスパイクを止めるための「キルブロック」です!
その迫力は、技術を教わったからだけでなく止めるという明確な意志があったからこそ出たものでしょう。
木兎さんは止められることを危惧してとっさにフェイントに切り替えました。
結果的に意表をついて得点しましたが、それがブロックにそうさせられたということは、赤葦始め何人かには気付かれてました。

黒尾は自分の試合中にも関わらずニンマリ。
烏養くんは突然の変化にびっくりしていて、猫又監督も楽しそうです。
ブロックの後、ツッキーが見据えていたのは日向でした。
本気になったツッキーが、まず意識している存在が日向というのがおもしろいですね。

ラストシーン、空には昼間の白い月が浮かんでいました。
太陽が輝く昼でも、月が存在感を発揮し始めたように感じられます。

今回は、考えることがたくさんで長くなってしまいました。
でも、部活でもなんでもやり続けたり、真剣になる理由って疑問に思う機会は結構あるのではと思います。
そういう問いにきちんと向き合うという意味で、今回の話はとても考えさせられるものが多いと感じます。
いろんな意見がありますから、自分なりの考えを見つけられるといいなと私も思っています。

合宿編もそろそろ佳境です。
普段見られない絡みが毎回楽しいですが、次回は…?
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久々?な書き込みです。

兄弟の関係って組み合わせによって、きっと様々ですよね。


ただ、ツッキーを見て思ったのは…。
ツッキーにとっての明光くんは○○レンジャーやウルトラマン、仮面ラィダーみたいなヒーロー、何よりTVの中の非現実的ヒーローより、現実的で身近な『兄ちゃん』をヒーローと感じていたのかな?
…と、ツッキーを見て思いました。
もちろん明光くんには、それが重荷だったのでしょうが…

だからポジションも、エースと呼ばれがちなWSではなく、憧れから失望してのMBなのかな?とも思いつつ。


合宿中、烏野の3年生は三者三様にツッキーを気にかけていますが、そんななかで。
ツッキーなりにも『兄ちゃん』というエースへの拘りがあるからか、旭さんの言葉を素直に聞いてる感があるように思いました。
木兎も梟谷と言うチームの、長男のようで末っ子のエースだし。
…気のせいかな?(笑)

ハイキューで兄弟がいる人と言うか描写はツッキー以外だと、姉ちゃんがいる田中、妹がいる日向、あとは高校生ながらに甥っ子がいる及川くらい。
ツッキー同様、兄ちゃんのいる弟という設定が他にいないから、比較しようもありませんが…

大地さんファンですさんへ

コメントありがとうございます!

そうですね。
ヒーローと一口にいっても、どういう目線で見ているかはそれぞれですよね。
私もツッキーは現実的なタイプだから、架空のものでなく明光くんをヒーローとして見ていたんだと思います。

MBを選んだ理由は今まで考えたことなかったのですが、言われてみるとそうかもしれませんね!
あえて自分がエースにはなろうとしなかったのかもしれません。
でも、エースという存在への憧れがまだあると考えるなら、より旭さんに心を開いている描写に納得できます。

ほかの烏野メンバーの家族事情も気になるところですね!
3年生がだれも家族のこととかわかってないような…
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