アニメ「ポケットモンスター サン&ムーン」第21話「ニャビー、旅立ちの時!」

今回は、アニメポケモンの感想です。
一時間スペシャルの後半ですね~。

今年のポケモン映画ですが、いろいろ新情報が明らかになって、個人的には予想外だったというか驚きが強いです。
まさかサトシと旅をする新キャラがここで登場するとは…。
まあ、ゲスト声優は毎回あるものだし、伝説ポケモンを出すのも例年通りですからそう考えれば当然なのですが。
予告の感じからして、ダイジェスト的にでも無印アニメ通りの展開はやるだろうと思っていたんですよね。
カスミもタケシも出なさそうとわかると、期待していた身としては少し残念な部分もあります。
でも、今まで明言はしていなかったものの同じ世界線で20年サトシの冒険を描いてきたアニポケの、初めてのパラレルストーリーっぽいので、それがどんな風になるのかは楽しみです!
おそらく現アニメシリーズでは果たせないであろうホウオウとの決着が、パラレルであってもどんなものになるのか、すごく気になっています。
それが今では実現しえないだろう、当初考えられていた結末の垣間見えるものであってほしいなと期待しています。
あと今までの旅の仲間たちも、ちらっとでいいからどこかで出してほしい気持ちはやっぱり捨てられないので、なんとか!なんとか…!

さて、本編ですね。
ニャビーの旅立ち、アニポケ史上最高レベルの重い回です。

冒頭、市場に買い物に来たサトシたちはあのおばあさんと再会します。
そこへニャビーもやって来て、サトシの持っていたドーナツを奪っていきました。
もう今となっては、サトシもニャビーの行為を怒ることなく、元気そうな姿を喜んでいます。
一目散に駆けていってしまったニャビーを追って、サトシたちはあの橋の下にたどり着きました。
そういえば、前の時はモクローだけだったので、サトシやピカチュウはここに来るのは初めてですね。

ここまでは以前と変わらない風景なのですが、ムーランドの終わりは確実に近づいているのです。
それを象徴するのが、彼らの住処のすぐ隣に生えている木。
もう数枚しか残っていない葉がムーランドの残りの命を表す役割を果たします。
木の葉っぱが全部落ちてしまったら寿命が尽きる、なんていうのはかなりベタな比喩ですが、子どもたちにもわかりやすく死を表現しようとしているのだと思います。
あと、南国のアローラ地方で、まるでここだけ冬のように枯れそうな木があるというのが、余計に寒々しくて寂しい気持ちになります。

ニャビーは、ムーランドに見てもらいながら、ほのおのキバを練習しています。
ムーランドはニャビーの動作を遮ってお手本を見せるのですが、おそらくその動きだけでもかなり体力を消耗するんでしょう、木からはまた一枚葉が落ちていきます。
それでも無理を押してやってみせるのは、自分の命が残り少ないことを知っていて、一つでも多くのことをニャビーに教えておこうとしているからだと思います。
当のニャビーのほのおのキバは、完成にはまだほど遠いのですが。

そこへ、サトシは声をかけます。
市場で買ったきのみをあげようとして、いつものようにニャビーにひのこを食らっています。
前の回で一緒だったので、モクローは結構親しげですね。
ニャビーもまんざらではなさそう。
たびたびせき込むムーランドをサトシは気にし始めるのですが…。

夕方、家に帰って博士にニャビーたちのビデオを見せます。
違う種類のポケモン同士が一緒にいるのは、かなり珍しいことらしいです。
サトシとかの手持ちだと、違う種類だけどみんな仲良くしてるので忘れがちですが、確かに野生ポケモンが別種で行動を共にする状況はあまりないかも。
博士は少し見ただけで技のことだけでなく、ムーランドがニャビーをかなり大事にしていることまで見抜いてしまいました。
こうなると、二匹の出会いや一緒にいる理由がかなり気になってきます。
今後明かされることはあるのでしょうか。

翌日、スクールからの帰宅途中でロケット団登場!
そういえば、この間の四月八日でロケット団も20周年を迎えたそうです。めでたい!
映画にタケシたちがでる確率が低くなった今、無印当時を思い出せる貴重な要員になっているロケット団。
ロケット団だけはまだそばにいてくれるんだよなぁと、新シリーズを迎えるたび、何度安心感に包まれたかわかりません(笑)

久しぶりに口上を披露してくれたロケット団ですが、直後にニャビーの炎攻撃を食らって全員での見せ場はあっけなく終了。
ニャビーは今までの態度からは考えられないほど動揺して、サトシにすがりついてきたのです。
尋常でない状況を察したサトシは、エレキボールの爆発に紛れてロケット団をかわします。
サトシを見失ってしまったので、特に何をするでもなくロケット団は撤収。
最近諦めが早い気がするのですが、南国で多少平和ボケしてるんでしょうか(笑)
ただ、ニャースだけはニャビーの異常を感じ取っていました。
どうでもいいですが、ヒドイデのコジロウの腕への巻き付き方が抱っこちゃんみたいだなぁとか思ってました。
この話は気を抜けるギャグパートがここしかないですね。

橋の下にやってくると、ムーランドが苦しそうに倒れていました。
どうしたらいいのかわからない状況でサトシを頼ったニャビー、慣れ合わない様子を見せつつも本当はサトシに心を開いていることがわかります。
ポケモンセンターへ連れていこうとしてサトシがムーランドを担ぐと、「軽い」と一言。
嫌な表現だなぁ…。ムーランドが弱っていることをリアルに表現しています。

その様子をニャースもこっそり見ていました。
そして、また一枚葉が落ちるのを目撃します。
葉っぱはすぐそばの川の水面に落ちて流れていきました。
川について、三途の川とか灯篭流しとかいろいろ連想するものはありますが、いずれにせよムーランドの命がどこか遠くへ行ってしまう、しかもそれはもうすぐそこまで迫っていることを思わせます。
ニャースもおそらくこの時に事態を悟ったように思います。

ポケモンセンターで治療を受けるムーランド。
処置がひと段落ついて、扉が開いた瞬間にニャビーはムーランドの側に駆けていきます。
サトシがジョーイさんに容体を聞いて、怪我や重い病気ではない、と話されたところでニャビーが開けた処置室の扉が閉まりました。
言葉は遮られ、視点がニャビーに切り替わります。
ジョーイさんの言葉の先は、ムーランドはもう寿命で死ぬのだということです。
でも、そのことは明言されず、きっとこの時点ではニャビーも完全にはわかっていないと思います。

特別な原因があるわけではない、寿命という終わり方はとても現実的で残酷だと思いました。
これ以上自然な死に方はないから、なにも恨めないし、ただ受け入れるしかないからです。
アローラに来てから、野生のポケモンとの共生だったり、多様な考え方だったり、いろんなものを受け入れる文化を見ました。
それはすごく素敵なあり方だと思ったけれど、受け入れるのはいいことばかりではなくて、死という理不尽も同じように受け入れなければならない残酷さを目の当たりにしました。
そもそも寿命を理不尽と感じることこそが不自然で、大きな自然的な視点からすれば異常なのだという気もします。

夜、サトシは博士に病院に泊まると連絡し、博士もニャビーの信頼に応えるよう後押しします。
しかし、目を離した隙に、二匹はポケモンセンターを出て行ってしまったのです。
ニャビーたちを探すサトシたち。
その前にニャースが現れました。
「ニャビーはとても頑張っているから、見守ってほしい」と、それだけ言ってニャースは立ち去りました。
もしかしたら、二匹がポケモンセンターから出て行く手助けをニャースはしたのかもしれません。
サトシとジョーイさんの話を聞いていた時の表情や仕草を見て、なんとなくそんな気がします。

二匹はやっぱりあの橋の下に戻っていて、ムーランドも定位置のソファに横になっていました。
ニャビーは心配そうにムーランドの頬を舐めていたのですが、促されてまたほのおのキバの練習を始めます。
ムーランドはお手本を示すために、ニャビーと一緒にパワーを溜める動作をしていました。
もう技を出しきる体力も残っていないのに。
それでも結局硬いきのみは割れず、ぐったりしていたニャビーが起き上がったときには、ムーランドはもう眠っていました。
ムーランドにくっついてニャビーも眠ります。
いつのまにか残り二枚になってしまった葉っぱのうちの一枚が、ゆっくり枝を離れたかと思うと、風も吹いていないのに夜空の満月に向かってふわりと舞い上がっていきました。
ムーランドの魂が天に昇って行くように。
すぐに雲が月までの道を塞いで、もう葉っぱは見えなくなってしまいました。

ニャビーは夢を見ます。
道を歩いていて、すぐ先にいるムーランドの方へ走り出すのに、どんどんムーランドは遠ざかって、ついに消えてしまいました。
ニャビーは真っ白な世界に一匹になっていました。

翌朝、珍しくアローラの空には灰色の雲が立ち込めていて、どこかから雷の鳴る音も聞こえます。
普段はあんなに色鮮やかなアローラ地方が、今はみんな色あせて灰色がかっていました。
ニャビーが目を覚ますと、ムーランドの姿はどこにもありませんでした。
木には、最後の一枚の葉が揺れていました。

多分この時点では、どこかでムーランドは生きていたのだと思います。
象は自分の死を察知することができて、その時が来ると群れからそっと離れて一頭で死ぬのだそうです。
読んだことはないのですが、「象の背中」という作品の名前の由来だと聞きました。
ムーランドもきっとそうしたのでしょう。
人間にも、ニャビーにも、その死の瞬間を見せることはありませんでした。

ニャビーは以前暮らしていた洋館を訪れます。
しかし、そこにもムーランドはいません。
蜘蛛の巣のかかった空っぽのソファがただそこにあるだけでした。

市場を通ると、あのおばあさんが店を開ける準備をしていました。
色あせた街の中で、そこにいる人たちはみんな笑顔で、いつもと変わらない朝を迎えています。
ニャビーだけが取り残されているようでした。

海の波は荒れていて、もう今にも雨が降り出しそうです。
ニャビーが橋に戻ってくると、寝床の近くになにかが動いていました。
駆け寄ると、それはただのつむじ風ですぐに消えてしまいました。

そして、ニャビーの目の前でソファの足が折れたのです。
大きな音を立てて支えを失ったソファが地面に落ち、最後の一枚の葉が木の枝を離れて、風に乗ってソファの上に舞い降りてきました。
きっとこの瞬間、どこかでムーランドの命が終わったのです。

すぐに空からたくさんの雨が降ってきました。
ニャビーはすべてを悟ったのか、空に向かって何度も何度も鳴いていました。
そこにサトシと博士がやってきます。
「ムーランドはどこにいる?」と聞くロトムに、博士はただ一言「聞くな」と答えました。

ロトムの質問は、子どもたちの疑問の代弁かもしれません。
それに対して、ジョーイさんも博士も、大人は誰も答えを言いませんでした。
誰も一度もムーランドが死んだとは口にしていないのです。
この物語を見て生まれた問いに子どもたちはどんな答えを見つけるのか、そして大人になった時どんなふうに思い返すのか、いつかそれを知ることができたらいいなと思います。

雨に打たれるニャビーと橋を隔てて向こうにいるサトシたちは、黒い影になって立っていました。
この橋は野生のポケモンと人間を隔てる境界のようでした。
しばらくすると、ニャビーは橋の下に戻ってソファの上で眠り始めました。
あの葉っぱのすぐ傍らで。

同じころ、ニャースは秘密基地で空を見上げていました。
ムサシたちは不可解に思っているようですが、特に理由を尋ねることもなく静観しています。
キテルグマがそっとニャースの背中から腕をまわして、抱きかかえるように座りました。
「そういう気分じゃない」と言ったニャースは、キテルグマがじゃれていると思ったのかもしれませんが、キテルグマはニャースを慰めようとしている風に見えました。
BGMで「ニャースのバラード」がかかり始めて、それは表だってはなにかをすることができなかったニャースのニャビーに向けた言葉のような気がしました。

サトシが市場でもらった果物を届けても、ニャビーは見向きもしません。
授業中も家にいるときも、サトシはずっとニャビーを気にかけていました。
ついにニャースもニャビーのところへ行くのですが、それでもニャビーは一切口をつけず…。
とうとうサトシはニャビーが食べるまで橋の下に居座ると言いだしました。

次の朝が来たのでしょうか、雨が止んで雲が去り、海の向こうの太陽が現れました。
ソファの上のあった葉が突然飛んでいってしまい、ニャビーはそれを追いかけます。
その先には虹が出て、向こうに浮かぶ雲は、ムーランドの形のようでした。
ムーランドが笑ったように雲が動いて、ニャビーもそれに笑顔でうなずきを返しました。
ニャビーはムーランドの死を受け入れたのだと思います。
うまい言葉が見つからないのですが、もうちょっとポジティブな意味で。

ニャビーはずっとそばにいてお腹を空かせていたサトシに、きのみを差し出します。
お互いに譲りあって堂々巡りになり、笑い合った後、サトシはニャビーに一緒に来ないかと誘いかけます。
でも、ニャビーは素直には来てくれずバトルを要求します。
この時のニャースの代弁は、本当にいい味を出していたと思います。
感傷的なニャビーの様子は一切言葉にしなかったのにな。

ピカチュウとニャビーのバトルは、決着はつきませんでしたが、ニャビーはサトシの実力を認めて仲間になりました。
これからは、サトシとほのおのキバの完成を目指していくようです。
初めてニャビーのサトシに向けた笑顔が見られました。
ラストシーンでは、ニャビーたちを見守るようにムーランドの形の雲が浮かんでいました。

ムーランドの死について、登場したときからうっすら死ぬ展開は予期していました。
でも、子ども向けアニメだしやらないかもと思っていて、今回のあらすじをなんとなく聞いたときも、既にムーランドがいなくなってしまった状態から始まるだろうと勝手に考えていました。
そうしたら、前半ではムーランドは生きていて、そこに少し前までいたものがいなくなって失われてしまう様子をはっきりと描くもんだから、かなり衝撃を受けました。
サンムーンの誤魔化すことなく自然のリアルを表現しようとするその真摯さの最たるものになったのではないかと思っています。
なんだか月並みな表現になってしまうのですが、いわゆる伝説回として何度も話題に上る話の一つになったのではないでしょうか。
この話を見られてよかったと心から思いました。
多分ここ数年で一番です。

さて、次回は180度方向転換というか、いつものノリに戻ってまた大騒ぎするみたいです。
今回は自分で書きながら、いつもと結構テンション違うなぁとやや落ち着かない気持ちだったのですが、通常運転に戻っていきたいと思います!
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これは

こんな重い話をアニポケで見ることになるとは正直思わなかった、仰る通り低学年など小さな子供はロトムと同じことを思ったでしょう、もしこのアニメを親子でみていたなら其々の解釈は全く違いますし、両親に同じように訊ねるかもしれないですね、その「わからない」が何れわかるときがくる、その時この話の神髄が伝わる、何年先にもつながる伝説に残る回だとひしひし感じました。

スモッドさんへ

コメントありがとうございます!

アニポケにおいて、何度も見返したいいわゆる神回はいくつもありますが、間違いなくその一つになったお話だと思いました。
今までのアニポケでは明確に描かれなかった死というもの、それを正面からどう表現するのか、その答えを見られて本当によかったです。
子どもたちが成長した時にどう思うか?と書きましたが、自分自身も時が経って見返した時なにを感じるのか気になっています。
まだまだ味わいつくせそうにない名作でした。
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